さようなら2018年

毎年恒例の一年の振り返りと次年への抱負などを書いていきます。

2018年は、業務時間が昨年よりさらに増えたこともあり、業務量が一気に増えました。レポーティング業務を中心に、あらゆる方面からさまざまなお問い合わせをいただきまして、この場を借りてお礼を申し上げます。

今年は、思いもかけない方々からのお問い合わせや出会いがあった年でした。その中で、今まで培ってきた能力や経験を還元できる機会がありました。20代は挑戦、30代は深化、40代は社会還元、と自分のキャリアが正にその流れに乗ってきたことは、とても嬉しく思いました(すべてがこれに当てはまるわけではありませんが)。

さて、私が2003年のCSR元年からこのサステナビリティ分野に関わり15年が過ぎました。途中、この世界からやや離れた時期もありましたが、15年間関わってきたからこそ見えてきた課題があります。

レポーティング(情報開示)の知識や支援を深めると同時に、今後はサステナビリティ活動そのものにもう少し焦点をあて、取り組みの初段階からの支援を強化していきたいと考えています。

この世界に関わった15年とは、SDGsの目標達成期間と同じ長さです。今から15年前の日本社会を振り返ってみると、「『環境』では食べていけない・利益がでない」「サステナビリティって何?」「本業と違うことして何になる?」という反応が多かったです。

そこから今現在をみると、日本の大企業を中心に認知度や理解度は格段に上がり、行動や成果も分野によっては多少変化がみられるようになってきました。もちろん個人の意識にも変化がありました。

今から15年先はどうでしょうか?まだまだ認知度や理解度の浸透は図っていかなくてはなりませんが、行動や取り組みの成果を出していかなければなりません。

そのようなことも考えながら、来年以降は少しずつ別のアプローチでも支援していきたいと考えています。

来年は、フィンランドに在住して7年目になります。フィンランドの市場は日本と比べてかなり小さいですが、小さいが故に動きが速いのが目に止まります。

2018年は、サーキュラーエコノミー 関連のビジネスがあちらこちらで沸き起こり、独立記念日の大統領夫妻による祝賀会のテーマが「環境」となるほどの盛況ぶりでした。

2019年はどんな年になるのでしょうか?日本にとっては、平成が終わり新しい時代が幕を開けます。そのような年に、日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を迎えます。

個人として、引き続き両国への関わりを微力ながらもさらに広めて、持続可能な社会への支援を深めていきたいと思います。

今年一年ご愛読および事業サービスをご利用いただきありがとうございました。
それでは良いお年をお迎えくださいませ。

Rauhallista Uutta Vuotta!


広告

持続可能な開発の国家委員会を設立した世界最初の国、フィンランド

「世界一の教育大国」「世界一お母さんに優しい国」などで知られるフィンランド。これらはすべて持続可能な社会に向けた取り組みの一部で総合的に見ると、実は国連環境開発会議が開催された1992年の翌年に、持続可能な開発に関する国家委員会を設立した世界で唯一の国である。以来25年に渡り、持続可能な開発に関する指導的な運営を行ってきた結果、教育や育児に関する側面で評価を得た。

昨年2016年に国連の持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラムにおいて各国の取り組み状況のレビューがあり(SDGs Index)、フィンランドは149カ国中4位にランクイン。その評価の主な概要は、

1、25年にわたる持続可能な開発の構築

2、アジェンダ2030に向けた好調な実施状況

2−1、複数のステークホルダーエンゲージメントとパートナーシップを可能

2−2、アジェンダ2030とSDGsを体系的に取り組む

2−3、これらをモニタリング、アカウンタビリティおよびレビューする仕組みが完備

など

それぞれの内容について簡単に説明する。

1、25年にわたる持続可能な開発の構築
冒頭で述べた通り、1992年の国連環境開発会議(UNCED)がリオデジャネイロで開催された翌年1993年に、持続可能な開発に関する国家委員会を設立した。総理大臣を筆頭にした委員会は、幅広いステークホルダーのメンバーシップで構成されており、今現在でもその合意は受け継がれている。

委員会設立後は、持続可能な開発のための包括的な国家戦略の導入を実施。2050年に向けた最新の国家戦略が2013年12月に採択され、昨年2016年4月に「アジェンダ2030」に沿って更新されている。

国家政策と措置の指針は、政治的な指導者、政策の一貫性、長期的な視点、ボトムアップ計画、複数のステークホルダーの参画、そして相互学習に基づく継続的な対話と信頼などである。さらに持続可能な発展の指標開発およびその使用を含む、タイムリーなフォローアップとレビューの仕組みが、「フィンランド・モデル」には不可欠な部分である。

2、アジェンダ2030に向けた好調な実施状況
人口550万人。資源小国であることから、行政をはじめ、自治体、企業、市民社会、学校などの複数のステークホルダーが参画して意識を高め、持続可能な社会への行動を促すことは非常に大きな課題である。

2016年末には2030年の国家戦略が策定され、これを基に開発政策の目標である「女性と女子の権利」「開発途上国の経済強化による雇用創出」「食料安全保障」「水とエネルギーへのアクセス」などを掲げた。

 

2−1、複数のステークホルダーエンゲージメントとパートナーシップを可能
フィンランドの国としてこのエンゲージメントに主要な委員会が2つある。

一つは、フィンランド開発政策委員会(Finnish Development Policy Committee)。開発政策の観点からフィンランドの持続可能な発展のアジェンダ実施に従うことを使命とする国会議員団体。

もう一つは、持続可能な発展に関する国家委員会(The National Commission on Sustainable Development)。世界でいち早く設立し25年にわたる首相が提唱するパートナーシップ・フォーラム。政策、措置および日々の実践を統合することを目的とする。またアジェンダ2030の実施のフォローアップとレビューを行い、持続可能な発展への社会のコミットメントを実施することを任務としている。

さらに8人の教授と専門家を含むアカデミックな持続可能な開発エキスパートパネルには、各委員会の課題に取り組み、必要に応じて彼らのアドバイスを取り入れている。

ステークホルダーの課題は、「地域社会」「子どもや青少年」「障がい者や移住者」などが挙げられ、アジェンダ2030にもこれらが追加されている。

2−2、アジェンダ2030とSDGsを体系的に取り組む
アジェンダ2030を実施するために、さまざまな政策分野で措置が講じられている。首相はSDGsの目標をカバーする既存の政策、措置、実施活動、予算を関連省庁に確認要請を行った。各省庁がアジェンダとSDGsをマッピング。これによりフィンランドの強み(すでに取り組みが実施されている、または優れていると評価された点)と弱み(取り組み未実施、または平均より劣っている点など)を明示。

特に弱みについては「人口規模に比べて高いCO2排出量」「生物多様性の保護の強化」「雇用創出」など、SDGsの7,8,12,13および15について指摘されている。

ジェンダー平等においては、男女平等な国と高く評価されているが、ジェンダーに基づく暴力や賃金格差においてはまだ発展途上である。

 2−3、モニタリング、アカウンタビリティおよびレビューする仕組みが完備
SDGsを達成するために、オープンで高い透明性、包括的かつ参加型のフォローアップとレビューを提供することをコミットしている。市民と国際社会への説明責任を果たすために、定期的な進捗状況と成果がレビューされる。

開発途上国における持続可能な開発目標の実施にフィンランドが貢献するだけでなく、SDGs17のグローバルパートナーとしてフィンランド自身の結果をベースに途上国へのマネジメントアプローチと評価基準が適用される。

2017年1月、国連SDGsのワーキンググループにフィンランドの専門家が選出され、フィンランドのサステナビリティ・モデルやその実装性について、多くの国が注目している。今後リーダーとして他国を牽引しながら、自国のサステナビリティについても注目されるであろう。

 

リソース:国連フィンランド外務省

Photo by : kepa