海外在住日本人のネット投票への意見募集

海外在住の日本人が日本の選挙に参政するには、以下の手順が必要になります。

1、在外選挙人の登録:
郵送で本籍地の選挙管理委員会宛てに郵送で登録申請を行う。登録完了までおよそ2〜3ヶ月かかる

2、投票方法:
選挙人の登録が完了したら、実際に投票するために3つの方法の中から選ぶ。
1)現地の大使館で投票
投票期間は国によって異なるが、だいたい3〜5日以内。
2)郵便投票
本籍地の選挙管理委員会宛てに、まず投票用紙の申請を行う。用紙受理後に再び選挙管理委員会へ返送。このやりとりをだいたい2〜3週間で行う。
3)選挙期間中に本籍地で投票
国内投票と同じ

ざっとこんな感じの手順ですが、先日の選挙では2)の方法で用紙が届かない、届いたら投票日当日だった、という方々の意見が多く聞かれ、河野外相が「ネット投票の導入に向けて検討する」と公表しました。

それに伴って、外務省では在外公館のサービスに関するアンケートを実施し、その中に在外選挙に関する質問が設けられました。

以前より、海外在住の日本人の間では、日本と郵送でやりとりすることが非常に不便であることが言われていました。アジア地域ならともかく、欧州となると普通郵便で片道約1週間はかかりますから、現状ではギリギリ(書き留めやEMSを使っても日本のような迅速な郵便事情ではないため遅れる可能性大)というところです。

私はフィンランドに移住してから現在のところ、2回の選挙に参政しました。いずれもなんとか時間とお金と労力を費やし、約20ユーロの高速バスに往復5時間揺られ、ヘルシンキの日本大使館へ足を運んでいます。

こんな状況はまだまだ良い方で、地方在住の友人たちは、毎回郵送投票で用紙がいつ届くか心配しながら手配し、今回用紙が届いたのが投票日の前日。あえなく棄権という事態に。別の友人は、投票期間4日間のうちのフライトが取れず断念。という状況で、せっかく選挙人の登録をしてもこれでは意味がありません。

すべてネット投票に切り替えるのは、セキュリティ上危険だ、という声もちらほら聞こえてきますが(実際にセキュリティ対策が厳重なフィンランドでさえ、まだネット投票は導入していません)、せめて投票用紙の申請ぐらいはネットで実施しても良いかと思います。

こうして遠隔地から大声を張り上げても届かない、変わらないことはわかっていますが、海外在住日本人にとってみれば、外に出て改めて母国の行く末が気になるところもあり、このような機会を利用して意見を伝えていく必要があると思います。

というわけで、海外在住の日本人のみなさん、以下のサイトよりアンケートに答えられますので、ぜひ意見しましょう。

また周りに海外在住の友人知人の方々がいらっしゃるみなさん、ぜひその方々にシェアしてください。

外務省、領事サービス向上・改善のためのアンケート調査

 

 

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持続可能な開発の国家委員会を設立した世界最初の国、フィンランド

「世界一の教育大国」「世界一お母さんに優しい国」などで知られるフィンランド。これらはすべて持続可能な社会に向けた取り組みの一部で総合的に見ると、実は国連環境開発会議が開催された1992年の翌年に、持続可能な開発に関する国家委員会を設立した世界で唯一の国である。以来25年に渡り、持続可能な開発に関する指導的な運営を行ってきた結果、教育や育児に関する側面で評価を得た。

昨年2016年に国連の持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラムにおいて各国の取り組み状況のレビューがあり(SDGs Index)、フィンランドは149カ国中4位にランクイン。その評価の主な概要は、

1、25年にわたる持続可能な開発の構築

2、アジェンダ2030に向けた好調な実施状況

2−1、複数のステークホルダーエンゲージメントとパートナーシップを可能

2−2、アジェンダ2030とSDGsを体系的に取り組む

2−3、これらをモニタリング、アカウンタビリティおよびレビューする仕組みが完備

など

それぞれの内容について簡単に説明する。

1、25年にわたる持続可能な開発の構築
冒頭で述べた通り、1992年の国連環境開発会議(UNCED)がリオデジャネイロで開催された翌年1993年に、持続可能な開発に関する国家委員会を設立した。総理大臣を筆頭にした委員会は、幅広いステークホルダーのメンバーシップで構成されており、今現在でもその合意は受け継がれている。

委員会設立後は、持続可能な開発のための包括的な国家戦略の導入を実施。2050年に向けた最新の国家戦略が2013年12月に採択され、昨年2016年4月に「アジェンダ2030」に沿って更新されている。

国家政策と措置の指針は、政治的な指導者、政策の一貫性、長期的な視点、ボトムアップ計画、複数のステークホルダーの参画、そして相互学習に基づく継続的な対話と信頼などである。さらに持続可能な発展の指標開発およびその使用を含む、タイムリーなフォローアップとレビューの仕組みが、「フィンランド・モデル」には不可欠な部分である。

2、アジェンダ2030に向けた好調な実施状況
人口550万人。資源小国であることから、行政をはじめ、自治体、企業、市民社会、学校などの複数のステークホルダーが参画して意識を高め、持続可能な社会への行動を促すことは非常に大きな課題である。

2016年末には2030年の国家戦略が策定され、これを基に開発政策の目標である「女性と女子の権利」「開発途上国の経済強化による雇用創出」「食料安全保障」「水とエネルギーへのアクセス」などを掲げた。

 

2−1、複数のステークホルダーエンゲージメントとパートナーシップを可能
フィンランドの国としてこのエンゲージメントに主要な委員会が2つある。

一つは、フィンランド開発政策委員会(Finnish Development Policy Committee)。開発政策の観点からフィンランドの持続可能な発展のアジェンダ実施に従うことを使命とする国会議員団体。

もう一つは、持続可能な発展に関する国家委員会(The National Commission on Sustainable Development)。世界でいち早く設立し25年にわたる首相が提唱するパートナーシップ・フォーラム。政策、措置および日々の実践を統合することを目的とする。またアジェンダ2030の実施のフォローアップとレビューを行い、持続可能な発展への社会のコミットメントを実施することを任務としている。

さらに8人の教授と専門家を含むアカデミックな持続可能な開発エキスパートパネルには、各委員会の課題に取り組み、必要に応じて彼らのアドバイスを取り入れている。

ステークホルダーの課題は、「地域社会」「子どもや青少年」「障がい者や移住者」などが挙げられ、アジェンダ2030にもこれらが追加されている。

2−2、アジェンダ2030とSDGsを体系的に取り組む
アジェンダ2030を実施するために、さまざまな政策分野で措置が講じられている。首相はSDGsの目標をカバーする既存の政策、措置、実施活動、予算を関連省庁に確認要請を行った。各省庁がアジェンダとSDGsをマッピング。これによりフィンランドの強み(すでに取り組みが実施されている、または優れていると評価された点)と弱み(取り組み未実施、または平均より劣っている点など)を明示。

特に弱みについては「人口規模に比べて高いCO2排出量」「生物多様性の保護の強化」「雇用創出」など、SDGsの7,8,12,13および15について指摘されている。

ジェンダー平等においては、男女平等な国と高く評価されているが、ジェンダーに基づく暴力や賃金格差においてはまだ発展途上である。

 2−3、モニタリング、アカウンタビリティおよびレビューする仕組みが完備
SDGsを達成するために、オープンで高い透明性、包括的かつ参加型のフォローアップとレビューを提供することをコミットしている。市民と国際社会への説明責任を果たすために、定期的な進捗状況と成果がレビューされる。

開発途上国における持続可能な開発目標の実施にフィンランドが貢献するだけでなく、SDGs17のグローバルパートナーとしてフィンランド自身の結果をベースに途上国へのマネジメントアプローチと評価基準が適用される。

2017年1月、国連SDGsのワーキンググループにフィンランドの専門家が選出され、フィンランドのサステナビリティ・モデルやその実装性について、多くの国が注目している。今後リーダーとして他国を牽引しながら、自国のサステナビリティについても注目されるであろう。

 

リソース:国連フィンランド外務省

Photo by : kepa